じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【67】松岡 正剛『多読術』

多読術 (ちくまプリマー新書)

多読術 (ちくまプリマー新書)

 読書の楽しみを知れば、自然と本はたくさん読めます。著者の読書遍歴を振り返り、日頃の読書の方法を紹介。本書を読めば自分に適した読書スタイルがきっと見つかります。読書の達人による多読のコツを伝授。 (「BOOK」データベースより)

 暗闇のトンネルを光の方に抜ける感覚ですね。腑に落ちるというか、目からウロコというか、肩の荷が降りるというか。とにかく、気持ちがラクになりました。というのも、自分の中で勝手にルールを作って苦しんでいた「何か」をこの本が見事に破壊してくれたからかもしれませんね。
読書を神聖なものだとか、有意義なものだとか、特別なものだと思わないほうがいい。読書はもともと多様なものだ。だから、本は「薬」にもなるが「毒」にもなるし、毒にも薬にもならないことも少なくない。読書はつねにリスクを伴うと思ったほうがいい。読書を愉快にさせるのは、読み手次第なのである。書き手だって、いい本を書いているとはかぎらない。だからといって、著者の責任と読者の責任が半々なのではない。著者三割、読者三割、制作販売三割、のこり偶然が一割という相場だろう。それゆえ本を読むにあたっては、読者自身が自分の得意な作法に照らし合わせ、会得しやすい柔軟な方法を身につけることをススメたい。それはむしろ最初から多読的に遊んでみるほうがおもしろいはずなのだ。(あとがき)