じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【26】中山 可穂『マラケシュ心中』

マラケシュ心中

マラケシュ心中

愛は、極めねばなりません。極めたら、死なねばなりません。山本周五郎賞作家がおくる、戦慄と至福の書下ろし傑作長篇。(「BOOK」データベースより)

「わたしはただ、ありのままの自分を誰かに肯定してもらいたいだけです」(p.59)
「幸せだったのは、数えるほどしかない」「じゃあ、教えて。今までの人生で一番幸せだったのはいつ?」「今。今この瞬間」(p.86)
恋がいつか必ず終わるものなら、わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう。小川 泉(p.88)

この物語はよくある男女の恋愛話ではない。女同士の不倫話と言ってしまえばあまりにも安っぽい。しかし、究極の愛というには憚れる。

ある意味、ハッピーエンドという見方もできますが二人とも心も体も傷だらけですね。

本の中で登場するアイテムで気になったものは、ジバンシィの「ランテルディ」という香水ですね。かのオードリー・ヘプバーンが生涯愛用した香りだそうです。「ランテルディ」とういう名前はフランス語で「禁止」を意味するそうです。この香水は、ジバンシーがオードリーのために作った香水なので、彼女はふざけて「私以外の人に売ってはダメよ」と言ったことからネーミングされたそうです。

どんな香りなのかな?