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じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【111】住野 よる『君の膵臓をたべたい』

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。 それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。 そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。 読後、きっとこのタイトルに涙する。デビュー作にして2016年本屋大賞・堂々の第2位、 75万部突破のベストセラー待望の文庫化!

 

正直、泣けない。が、せつない。甘酸っぱくて、痛がゆい。これは決してハッピーエンドじゃない。消化不良な感じがしてスッキリしない。なんでだろう?やはりこのタイトルでしょうね。つまり、膵臓は食べちゃダメってこと。まんまとやられました。

まだ読んでいない君は【どこで泣いたらいいかわからない】くんにならないように。

 

「違うよ。偶然じゃない。私達は、皆、自分で選んでここに来たの。君と私がクラスが一緒だったのも、あの日病院にいたのも、偶然じゃない。運命なんかでもない。君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。私達は、自分の意思で出会ったんだよ」(p.197) 

 

【110】中田 敦彦『大合格 参考書じゃなくオレに聞け!』

大合格 参考書じゃなくオレに聞け!

高校生のお悩み、あっちゃんが全て解決します! ★★『アメトーーク!』「勉強大好き芸人」で話題沸騰!!★★ 進路のこと、受験のこと、モチベーションの保ち方、親との関係、恋愛、部活、友人関係……、高校生の悩みは尽きない。 そのすべてに、あの人が答えてくれる! 志望校への現役合格、充実したスクールライフは、この本でつかみとれ!

オリラジのあっちゃんこと、パーフェクトヒューマンのお悩み相談室。この人の人を惹きつけるトーク術は素晴らしい。やはりリズム感がいいんでしょうね。あの独特の「間」といいますか。エンターティナーなんでしょう。だから、本にしちゃダメでしょ。

【109】月村 了衛『土漠の花』

土漠の花

ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、壮絶な撤退戦の幕があがった。圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を剥く。最悪の状況のなか、仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。なぜここまで激しく攻撃されるのか?なぜ救援が来ないのか?自衛官は人を殺せるのか?最注目の作家が、日本の眼前に迫りくる危機を活写しつつ謳いあげる壮大な人間讃歌。男たちの絆と献身を描く超弩級エンターテインメント!(「BOOK」データベースより)

 

手に汗握るアクションエンターテイメント小説。仕方がないが戦闘描写の割合が多い。こういうのは疲れる。専門的な武器の名称を挙げられても困る。リアリティか。現実ではあってはならないことだが、ありそうで、なさそうで、娯楽として楽しんでいいものやら。なんだか複雑な心境。砂を噛むような。土漠だけに。

【108】中村 文則『教団X』

教団X

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。絶対的な悪の教祖と4人の男女の運命が絡まり合い、やがて教団は暴走し、この国を根幹から揺さぶり始める。神とは何か。運命とは何か。絶対的な闇とは、光とは何か。著者最長にして圧倒的最高傑作。(「BOOK」データベースより)

 

長い。長すぎる。ここまで長くする必要があるのか。盛り沢山。サービス精神旺盛な夏休みの宿題のように。カルト教団のオカルト作品。言いたい放題のカオス状態。

序盤の「意識よりも先に、脳が既に反応している」のくだりは興味深いところでした。この本を手にしたのも『脳が全てを決め、この私「意識」はただそれをなぞってるだけ』なのですか?主よ!

【107】又吉 直樹『夜を乗り越える』

夜を乗り越える(小学館よしもと新書)

 芸人で、芥川賞作家の又吉直樹が、少年期からこれまで読んできた数々の小説を通して、「なぜ本を読むのか」「文学の何がおもしろいのか」「人間とは何か」を考える。また、大ベストセラーとなった芥川賞受賞作『火花』の創作秘話を初公開するとともに、自らの著作についてそれぞれの想いを明かしていく。「負のキャラクター」を演じ続けていた少年が、文学に出会い、助けられ、いかに様々な夜を乗り越え生きてきたかを顧みる、著者初の新書。(「BOOK」データベースより)

「なぜ本を読むのか?」と聞かれたら、「おもしろいから」と答えるのが、自分にとってはもっともしっくりきます。(はしがきより)

そうですね、僕もそう思います。おもしろいから本を読むんです。でも、読んだ後おもしろくなかった本もあります。あり過ぎます。

本を読むことによって、本と話すことによって、僕はようやく他人と、そして自分とのつき合い方を知っていったような気がします。(p.40)

又吉さんにとって「本」は「神」と同じなのでしょうか。僕には恐れ多くて語れません。

当時僕が本に求めていたのは、自身の葛藤や、内面のどうしようもない感情をどう消化していくかということでした。近代文学は、こんなことを思っているのは俺だけだという気持ちを次々と砕いていってくれました。その時、僕が抱えていた悩みや疑問に対して過去にも同じように誰かがぶつかっていて、その小説の中で誰かが回答を出していたり、答えに辿りつかなくとも、その悩みがどのように変化していくのかを小説の中で体験することができました。もちろん、そこから強引に自分の答えを探すような読み方はしませんが、あらゆる小説に触れることによって、視点を増やすことができました。(p.54)

 本を読むことで人間の厚みというか、奥行きというか、幅は広がりますよね。僕は年齢を増すごとにお腹が出てきました。

 視点が増えれば増えるほど問題も立体的になります。物事の本質に近づくことができます。今、視点がいくつかある、考え方が複数持てるという言い方をしていますが、自分とは異なる複数の考え方を知ることができるという認識でも良いかもしれません。なぜ多様な視点や考え方を持つ必要があるのか。極論を言うと全人類が同じ考え方しか持っていないとしたら、ひとつの失敗で全員が死ぬからです。(p.136)

極論を言うと、たった一人の狂った独裁者が核兵器を複数落とせば全世界が滅びるからです。いつも誰かに支配されている我々はいつになれば夜を乗り越えられるのでしょうか?