【113-1】柳本 光晴『響 〜小説家になる方法〜1』
ギクシャクは創造の母! とある文芸編集部の新人賞宛に送りつけられた、直筆の投稿原稿。 編集部員の花井は、応募条件を満たさず、 ゴミ箱に捨てられていたその原稿を偶然見つける。 封を開けると、これまで出会ったことのない 革新的な内容の小説であった。 作者の名は、鮎喰響。連絡先は書いていない・・・
リョータくんは響ちゃんの小説、読んだことある?
は?ないです・・・っていうかあいつ、小説かいてるとかリカさんに言ったんですか?
いや、言わないけどさ。小説好きな子ってのは例外なく自分でも小説書いてるよ。なんせ特別な道具も技術も必要ないからね。私はあの子の書いた小説、読みたいな。すごいの書けそうだもん。人間観、死生観・・・響ちゃんの目からはこの世界はどう見えてるのか・・・とんでもない物語ができそう・・・(p.168)
文芸部部長のリカは響の作品を読んで驚愕する。