じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【90】野口 聡一『宇宙少年』

15歳の寺子屋 宇宙少年

15歳の寺子屋 宇宙少年

 15歳のころ、スペースシャトルの打ち上げをテレビで見た僕は、衝撃を受けました。「宇宙に行きたい!」僕は宇宙を目指す、「宇宙少年」になりました。夢を目指す道のりのなかでは、いろんなことが起きます。ときには、怖さや不安にかられることもあるでしょう。そうして夢をあきらめてしまう人もいるかもしれません。でも、怖さも不安も、その正体は自分自身の心のなかにあるのです―。夢を現実にした宇宙飛行士・野口聡一さんの言葉から、悩みや不安を乗り越えるヒントを見つけよう。(「BOOK」データベースより)

 

宇宙飛行士になりたいと思いはじめた十代のなかばから、実際に宇宙に行くまでに、僕はおよそ二十五年の年月をかけています。挫折やまわり道もしたけれど、すべてが夢に向かっていくエネルギーになりました。夢を目指す道のりのなかでは、いろんなことが起きるものです。ときには怖さや不安にかられることもあるでしょう。でも、怖さや困難に負けてしまうと、先に進めなくなってしまいます。そうやって夢をあきらめてしまう人もいるかもしれません。でも怖さも不安も、その正体は自分自身の心のなかにあるのです。怖さの正体に向き合い、その先にあるゴールを見通せれば、きっと乗り越えるきっかけがつかめると思います。どんなときも、ほんの一歩ずつでいいから前に進んでみる。そして毎日、小さな一歩を繰り返していく。その勇気が持てたら、夢の実現にぐっと近づくことができるでしょう。(はじめにより)
怖さに負けないためには、大事なふたつのルールがあります。第一のルールは、怖さの正体を突き止めること。第二のルールは、怖さを乗り越えたときに得られるものを見通すことです。このふたつのルールを忘れずにいれば、怖さに負けずに進んでいけるはずです。(p.24)
僕は、一瞬で終わる死というできごとは怖いと感じません。死ぬとその瞬間になにもかもなくなりますが、苦しみも痛みも感じなくなるのですから、怖いと思わないのです。厳密には、僕は死ぬのが怖いのではなく、嫌だと感じていたのでした。そこで、次の疑問が立ち上がります。なぜ僕は死ぬのが嫌なのでしょう?「自分がしたかったことをできずに終わってしまうことが悔しいんだ」。そう思い当たりました。僕にとっては、死とは「恐怖」ではなく、むしろ「悔しさ」や「未練」という言葉に置き換えられるものに近かったのです。つまり「この世から自分が突然いなくなることによって、目標を成し遂げられない無念さ」が、僕が死を避けたい理由だったわけです。これに気づいたとたん、死は得体の知れないものでも、怖いものでもなくなりました。(p.34)
 

 自分がもしも死んだ場合に、何をやり残したと感じ、何に未練を感じるだろうか?

 今、自分のすべきことは何なのか?

 ちゃんと考えておかなければいけませんね。

 
後悔や未練から逃れる方法は、たったひとつしかありません。それは、いまという時間を大事にして思う存分生きることです。(p.36)