じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【88】岡田 淳『二分間の冒険』

二分間の冒険 (偕成社の創作)

二分間の冒険 (偕成社の創作)

 たった二分間で冒険?信じられないかもしれません。でもこれは、六年生の悟に本当におこったこと。体育館をぬけだして、ふしぎな黒ネコに出会った時から、悟の、長い長い二分間の大冒険が始まります。昭和六十年度うつのみやこども賞受賞。小学上級から。 (「BOOK」データベースより)


だからそのこたえはな、ゼロだ。竜がそういったとたんに、かおりがよくとおる声で、勝ちほこったようにさけんだ。「いってはならないことばをいった!」(p.195)
「だれにとっても、いちばんたしかなのは自分自身なんだわ、きっと。でもだれだって自分がたしかじゃないって思っているから、なにかべつのことやべつのもの、べつの人なんかをたしかなものって思っていたいのよね。」(p.219)
「かおり、たぶんきみのおしえてくれたこたえはまちがってないだろう。けれど、それだからこそ、ぼくの考えたこともまちがいじゃなかったと思うんだ。なぜかというと、ぼくがそう思ったからなんだ。ぼくがいちばんたしかなものなら、そのぼくがたしかだって思ったもの、みんなも、そしてきみも、ぼくにとって、きっとたしかなものなんだ。」(p.226)
ダレカが誰なのか?それが問題なんだ。普通の人ならこの二分間の体験で、あっという間に白髪になっちゃいますね。でも大丈夫、あなたはあの伝説の剣を抜いたのですから、竜を倒すために選ばれし勇者なのです。ただし、みんなには内緒ですよ。