じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【84】眉村 卓『ねじれた町』

ねじれた町 (ハルキ文庫)

ねじれた町 (ハルキ文庫)

古い城下町であたたかな夕暮れにつつまれた、いかにも平和な町、Q市―ここに引っ越してきた和田行夫は、すぐにこの町の異様さに気がついた。明治時代を思わせるポストや人力車、町の人々が信じて疑わない「鬼」、そして人間の意思力が生み出す超能力の存在…。時間・空間・生活、すべてどこかがゆがんでいるこの町で行夫が体験する恐怖の世界とは。 (「BOOK」データベースより)

 

 歴史の呪縛を受けた町Q市…このねじれた町に引っ越してきた和田行夫は不思議な少女、花巻千恵子と剣の達人、太刀川克巳と共に「ある戦い」に挑む。超能力が当たり前に通用するねじれた町で戦うための最大の武器は「意思力」だ。念の強い者が勝つ。歴史とはつまり、勝者の歴史なのだ。この町に古くからはびこる敗者の怨念と支配欲におぼれた権力を消し去り、新しい町に変えるために必要なものは何なのか?人間にとって古き良きものとは何なのか?そして今日も歴史は刻まれていく。他人事ではありませんよ。なんせ私たちもねじれた町の住人なのですから。