じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【76】上岡 龍太郎&弟子 吉治郎『引退 ー嫌われ者の美学ー』

引退―嫌われ者の美学

引退―嫌われ者の美学

醜く好かれるよりは、美しく嫌われたい。落ちこぼれではない、浮きこぼれただけだ。人生今が上り坂、だから苦しい。芸能界引退を決意した上岡竜太郎が語る、最初にして最後の「辛口」人生論。(「MARC」データベースより)

京都生まれ京都育ちの龍太郎は、多くの「他人の人生」とすれちがいながら、京都独特のシニカルで理屈こきの性格にそだっていく。京都には「坊さんと学者と舞妓はん」が共存しているが、ひと皮むけば「宗教家と左翼思想家と芸能人」。ふた皮むけば「うそつきと理屈こきと快楽主義者」。とても共存できないはずの三極が見事に同じ鴨川で産湯を使う。だから町中に「そんなアホな!」が満ちあふれている。(p.19)
 

京都という独特なまちが、あの上岡龍太郎さんを作ったんですね。

 
世の中に絶対に正しい理論というのがあるとは思えない。それをだれがいうかで納得することもあるし、しないこともある。この本で伝えたかったメッセージは、価値基準を「楽」に置けば、人生の物指しが明確になりますよ、ということに尽きる。それをいったのが上岡龍太郎というメディアであることをあなたが良しとするかどうかは、私の責任ではない。  ー上岡龍太郎(p.253)