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じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【72】瀧本 哲史『武器としての決断思考』

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

 本書は、著者がいま、京都大学で二十歳前後の学生に教えている「意志決定の授業」を一冊に凝縮したものです。今後、カオスの時代を生きていく若い世代にいちばん必要なのは、意思決定の方法を学ぶことであり、決断力を身につけることです。もう過去のやり方は通用しないし、人生のレールみたいなものもなくなってしまいました。「答え」は誰も教えてはくれません。となれば、自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていくしかないのです。仕事をどうするか、家庭をどうするか、人生をどうするか?この本で私と一緒に「自分で答えを出すための思考法」を学んでいきましょう。きっと、あなたの人生を変える授業になるはずです。(「BOOK」データベースより)

 
 ディベートの考え方は何かを決断するときに使えそうですね。ディベートでは、賛成と反対、どちらの立場に立つかは、直前にくじ引きやジャンケンによって決めるそうです。なので、賛成と反対、両者の立場に立った意見・主張をあらかじめ用意しておく必要があります。たとえ個人的には反対派だとしても、くじ引きで賛成側になれば、肯定的なことを言わなければならないのです。つまり、あるテーマに対して、賛否両論を自分の頭の中で整理して持っていなくてはなりません。著者はこの思考法は「個人の意思決定」にこそ使えると説いています。
 
主観的な意見・主張はとりあえず横において、まずは一回、問題を賛否両方の視点から客観的に考えてみる。そうして問題の全体像を把握したうえで、最終的な判断を下すための根拠を得る。そう、ディベートとは、客観的に決断するための思考法だと言えるでしょう。(p.16)
日本人は議論ベタだと言われていますが、慣れの問題以前に、「絶対正しい意見(正解)」を言わなければならないという思い込みが強いのではないでしょうか。正解を言おうとすると、自分の意見に大きな自信がある人間以外は、とたんに何も言えなくなってしまいます。でも実際は、何が正しいかなんてよくわからないんです。(p.46)
「人間は自然のなかで最弱の一本の葦にすぎない。しかしそれは、考える葦である。これを押し潰すのに、自然は何の武器もいらない。風のひと吹き、水のひとしずくで、簡単に潰すことができる。しかし、自然がこれを押し潰すとき、人間は、自然よりも高貴であろう。なぜなら、人間は、自分が死ぬこと、そして自然の力が人間の力に勝っていることをよく知っているからだ。自然はそのことを何も知らない。だから、私たち人間の尊さは、「思考」のなかにこそある。私たちが拠って立つべき基盤は思考にあって、私たちが満たしきることのできない空間や時間にあるのではない。だから、私たちはよく考えるように努力しなければならない。そこに、道徳の本質があるのだ」(17世紀のフランスの哲学者パスカルの言葉)(p.240)
  • 世の中に「正解」なんてものはない。
  • 正解がわからないから動かないのではなく、「いまの最善解」を導き出して、とにかく行動することが重要だ。
  • 根拠を比較して得た結論を、とりあえずの「答え」にしよう。
  • 前提が間違っていたら修正して、また行動すればいい。それが、さらなる最善解に近づくための「決断思考」だ。
  • ディベートの手順なんて忘れてもいい。この本を読んで、一つだけ忘れずに心に留めておいてほしいのは、「自分の人生は、自分で考えて、自分で決めていく」ということ。
  • 思考停止だけは避けるべきだ。
  • 決断思考を手に入れたら、明日からの人生を力強く歩んでいってほしい。武器を持った君たちが、未来を作るのだから。