じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【60】リチャード・バック『かもめのジョナサン 完全版』

かもめのジョナサン完成版

かもめのジョナサン完成版

1970年に発表されてから、しばらくはまるで反響がなかったが、数年後から爆発的に読まれ始めた伝説の作品『かもめのジョナサン』。飛ぶことの歓びを追求したために、仲間から追放された一羽のカモメが、やがて…というこの物語は、全世界で4000万部以上、日本でも260万部を超える大ベストセラーとなった。長い歳月ののち、著者R・バックが自家用飛行機の事故で九死に一生を得たことをきっかけに、新たな最終章が加えられ、「完成版」が刊行された。そのPart Fourは驚愕の内容を持つが、断固として未来を語り、“自由を求めよ!”と我々を深く励ます。(「BOOK」データベースより)

 以前は仲間全部のために探し求めていたことを、彼はいま、自分ひとりのために手に入れたのだった。さらに彼は飛行のさまざまな方法を身につけた。そのために払った代価を、彼はすこしも惜しいとは思っていなかった。やがてジョナサンは、カモメの一生があんなに短いのは、退屈と、恐怖と、怒りのせいだということを発見するにいたった。そして、その三つのものが彼の心から消えうせてしまったのち、彼は実に長くて素晴らしい生涯を送ることとなった。(p.56)
「わかったな、フレッチ。きみの目が教えてくれることを信じてはいかんぞ。目に見えるものには、みんな限りがある。きみの心の目で見るのだ。すでに自分が知っているものを探すのだ。そうすればいかに飛ぶかが発見できるだろう」(p.122)
   そこは天国じゃない。
   ジョナサンは神ではない。
   ただひたすらに純粋な存在。
   彼は幸せだったのか?
   それにしても何なんだこのモヤモヤ感は。