じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【49】久石 譲『感動をつくれますか?』

感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)

感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)

モノづくりは感性に頼らない!「ハウルの動く城」「もののけ姫サントリー伊右衛門」CM…あの名曲はここから生まれた。時代の風を読むために必要な「感性の正体」を探る。 (「BOOK」データベースより)

 久石譲さんのCDは数枚持ってますよ。曲が好きです。哀愁があって心の琴線に触れます。でもこの人のピアノ演奏をうまいと思ったことはないですね。やはり作曲家・映画音楽家、久石譲なのです。仕事は点ではなく線である。これほど素晴らしい作品を世に送り続けている久石さんは、ご自分がおっしゃる通り一流だと思います。

一流とは、ハイレベルの力を毎回発揮できることだ。(p.21)

 作曲には、論理的思考と感覚的ひらめきが必要だそうです。論理的思考の基になるのが、自分が今まで蓄積してきた知識や体験で、感性の95%はこれだそうです。残りの5%がセンスであり感覚的ひらめき。ものづくりにおける核心は「直感」だそうです。「直感」を養うために常に「感度を磨く」ことが大事なのです。

結局いかに多くのものを観て、聴いて、読んでいるかが大切だということだ。創造力の源である感性、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ(受容力)を広げることにつながる。(p.48)

 誰が言いだしたのか知らないが「若いうちの苦労は買ってでもしろ」とか言うが、苦労はできれば、しないに越したことはないではないか。久石さんも述べておられますが、苦労を偉いことだと持ち上げる人は、大抵、苦労自慢をするのです。そんなに成功もしていないくせに。普通に生活していたって苦労はするのです。楽な人生などないのですから。

普通の苦労は人間の幅を広げることにはならない。幅を広げたかったら、知性を磨くことと本当の修羅場をくぐり抜けることである。(p.74)

 音楽も映画もプロ意識というものが大切で、これはビジネスの世界でも言われることだが、言った通りのことを従順にやる部下は、便利だがつまらない。子供のつかいではないのだから、言われたことができるだけでは力不足なのだ。たまには上司を驚かせてみたいものだが。

 驚いたといえば、久石譲さんの本名が藤澤守さんというのがちょっと驚いた。