じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【45】湊 かなえ『Nのために』

Nのために (双葉文庫)

Nのために (双葉文庫)

超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか?それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか?切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。 (「BOOK」データベースより)

NがNのために。それは計算ではなく純粋に。哀しいほどの純愛が悲劇を生む。

Nは「Nの未来」を守りたかった。

Nは「Nの愛」を確かめたかった。

Nは「N」を守りたかった。

Nは二人の「真実の愛」を永遠のものにしたかった。

Nは「N」を悪の大王から救いたかった。

そして、Nはこのどうしようもない現実世界を「文学」に昇華させた。

すべては「N」のために。