じんの読書ノート

まぁ、とりあえず本でも読みましょうか。

【36】重松 清『流星ワゴン』

流星ワゴン

流星ワゴン

死んじゃってもいいかなあ、もう…。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして―自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか―?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。 (「BOOK」データベースより)

現実世界に絶望した主人公の前にワゴン車に乗った親子が突然迎えにくる。主人公はその車に揺られながら、戻れるはずのない自分の人生のターニングポイントに再び導かれる。そのやり直しの世界で主人公は勇気をもって闘い、そして心の底に潜む「後悔」にオトシマエをつけていく。リストラ、父との確執、妻と息子とのすれ違い・・・。やり直しの世界からサイテーの現実に戻ってみると、何かが少し変わっていた。

そうなんだ。未来は変わる。自分が変われば世界は変わる。

たとえ絶望の世の中であったとしても。