【16】ライフビジョン21 『ワルに学ぶ「実戦心理術」』
- 作者: ライフビジョン21
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2004/12
- メディア: 文庫
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「この世の中、どうも不公平だ」―そう思う人がいたら、この知恵と策略にはまっているかもしれない。怠け者のようで、能力があると認められている人、失敗が多いのに、不思議と上司から気に入られている人、口べたなのに、いつの間にか話の中心にいる人―彼らは、心理を見抜き、人を思うままに操る、世渡りのテクニックを心得ているのです。その驚くべきワザのすべてが、本書でわかります。 (「BOOK」データベースより)
サザエさんに出てくるカツオって、たぶん大人になったら出世するんだろうなと思う。悪知恵がはたらくというか、世渡り上手というか。その発想力、行動力は恐れ入る。しかし、詰めが甘い。ふっ、まだまだ子供・・・。結局、波平に「バッカも~ん!」とカミナリを落とされる。避雷針ともいえるこの本をカツオにお勧めする。
「人生は演じなければならない舞台だ」と言ったのは、シェークスピアだったが、どうせ演じるのなら、操られる役より操る役を演じたほうがいい。(p.4)
最高の舞台を演出するのは監督兼主演俳優の自分自身ならば、役者の道を極めるしかない。人生という舞台を喜劇にするか、悲劇にするか、それは自分自身の能力次第ってことなんだろうか。
われわれがおべっかを信用しなくとも、おべっか使いがわれわれの心をつかむ。
ーーーエッシェンバッハ『格言集』
要するに、その人の頭の良さが決め手なんでしょうね。おべっかをおべっかと相手に思わせない技術を持っているかいないか。
会社で嫌われる典型が、ゴマすりタイプ。人間の心理を考えずに下手なゴマをするから嫌われる。ワルは違う。気づかれないように、ほかの人間を利用してゴマをすり、相手の好意を勝ち取る。(p.15)
ほかの人間を利用してゴマをする必要もないが、こういう効果はわかる気がする。ウワサ話も「絶対内緒だから誰にも言っちゃダメだよ」なんて枕詞を付けてやれば一瞬でみんなに広めることだって可能だから。
仕事で高い評価を得るには、成功をアピールするに限る。(中略)能力があっても、それを上司に認めさせなければ意味がない。(p.25)
ストレートに自画自賛しても、さして印象には残らない。ここで「相談」という手法を取り入れるといいらしい。また、このような違う方向からアプローチして言いたいこと言うやり方は、ちょっと困った人間を操りたい場合にも使える。相手の欠点を自分の問題として、その相手本人に相談するのだ。
人間は、簡単に見た目に欺(あざむ)かれる。 きれいなものを好み、見てくれが悪ければそっぽを向く。人の心を思いのままに操縦するには、うわべのよさが絶対条件と言っていい。(中略)要は、うわべを飾って、格好よく見せればいい。とくに、初対面では、完璧に整えた外見さえ見せておけば、どんな本性も見抜かれることはない。(中略)性格がよければ報われると信じたところで、外見が冴えないと、そのよさを知ってもらうチャンスすらめぐってこない。(中略)うわべを飾るのは、そう難しくはない。顔や体型を変えろというのではなく、服装を考え直せばいいだけだ。(p.43)
悲しいかな、人は見た目がほとんどすべてと割り切ればいい。
嘘をついても人は信じる。ただ権威をもって語れ。
ーーーチェーホフ『書簡』
ウソをつくなら自分自身さえもダマせなければならない。
賢明なる策は、他人の過ちから利点を引き出すことなり。
ーーーテレンティウス『断片』
人の振り見て我がふりなおせではなく、人を利用しろということ。必要なものは必要に応じて調達し、使えるものは最大限に使う。
無知な友ほど危険なものはない。賢い敵のほうがずっとましだ。
ーーーラ・フォンテーヌ『寓話』
敵から学ぶことが山ほどある。バカな仲間とは縁をきれ。
恋愛においては往々にして疑うよりもだますほうが先にたつ。
ーーーラ・ブリュイエール『人さまざま』
所詮、恋愛とは騙しあい(愛)なのか?
心理学によると、人は尽くされたから好きになるのではなく、尽くすから好きになるのだという。誰かに何かを求められ、それに応じてあげることで、その人を好きになるというのだ。(p.167)
ちょっとした頼み事をしてみよう。すると相手は好意を持たれていると感じる。人は嫌いな相手には頼み事をしないと考えるからだ。自分が相手から頼りにされていると感じ、優越感を覚える。すると今度は自分が相手を気に入っていると錯覚するらしい。「助けた」という行為によって、相手を好きなのだと思い込むというのだ。恐ろしい話だ。まったく・・・。
この世には、あんたみたいな善人がたくさんいる。だから図々しいヤツが勝つのさ。
ーーー映画『動く標的』より