【9】高須 基仁『危機突破の「駆け引き」術』
- 作者: 高須基仁
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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数々のきどわい現場を経験した人間ならではの究極テクニック全公開(「BOOK」データベースより)
高須基仁さん・・・すげーこわーいイメージなんですが、なぜかとっても気になる人なんです。この人はどういう人なんだろう?そう思いこの本を手にとりました。
なるほど、この人がなぜこんなに魅力的なのか、この本を読んでわかりました。いや、わかった気がします。高須さんに言わせれば「会ってもないのにオレの何がわかるんだ?コノヤロー!(怒)」と怒鳴られそうですが。
数々の修羅場をくぐり抜けてきた彼の言葉は厳しさの中に優しさがあるものでした。
自分の目標や野望を達成するために多くの協力者をつくれ。そのためにはどんな人間に対しても差別するな。人から軽んじられても動じないで、自分の意見をいえ。自分のやりたいことをストレートに伝え、相手にどんなお願いも引き受けさせてしまう「人たらし」になれ。
本音と本音のぶつかり合いにこそ人間関係の極意がある。もちろん、激論の末、暴力を行使する瞬間があってもいい。ようするに、そこまで熱く、相手の人間に対峙している、そういうことが伝わらないと、人をたぶらかすことはできないということだ。(p.59)
チャンスは自力で作り上げろ。確固たる目的、成し遂げたい事柄があるならマゾであり続けろ。交渉の秘訣は相手にこちらがお願いしたかった話の核心を言わせ、相手からYESを勝ち取ろうとする瞬間に、明確かつ具体的な言葉で言い切ることだ。
社会的にも、知識の量でもかなわない相手と交渉するとき、勝負の分かれ目となるのは気迫があるかないかだ。(p.172)
土俵際に追い詰められたときこそチャンスだと思って気迫を振り絞り自分の考えを相手にぶつけろ。それが危機突破の極意らしい。
高須さんはいままで一万人以上の人間と名刺交換してきたらしい。学生時代は共産主義のもと武闘派学生運動団体のトップとして活動し常に60人の取り巻きがいたそうだ。ちなみにTBSとテレビ朝日は左派系、日本テレビとフジテレビは右派系。高須氏はTBSかテレ朝からしかオファーがかからないらしい。左右両方発言のテリー伊藤はどこでも呼ばれるから、よほど各局の幹部クラスに人気があるようだ。
卒業後は玩具メーカー・トミーに入社し、トミカやプラレール、黒ヒゲ危機一髪ゲーム、カードゲームのUNOをヒットさせる。情熱をもって自分が感じた面白さをどんどん伝えていくことが大事だという。
ヌード写真集の仕掛け人として活躍し、あることで世間から批判を浴びた時期に母親からこう励まされたそうだ。
「あなたは、悪役として生き抜いたらいい。人の生涯は善悪だけでは決められないものだし、『善悪だけで人の生涯を律することはナンセンスだ』と思い続けなさい。悪逆無道な乱世日本の姦雄として生きたらいいのよ」
それにしても高須さんの本の読み方はおもしろい。まずあとがき→目次→まえがき→本文を読むが熟読はしない。
とにもかくにも、読書は数をこなせ。そして、魅力ある言葉をどんどん体内に蓄積させろ。そして、ぼんやりと思い出すことで、自分の言葉に置き換える作業をして、堂々と自分の語彙として使い、饒舌をもってして人をたぶらかすのだ。(p.114)
一貫して斜め読みをし、どんなに分厚い本でも1時間以上はかけないそうだ。もちろん、そのような読み方だと、内容をどんどん忘れていくし、本のタイトルや著者の名前すら覚えてないこともあるらしい。
私は数年後この本のタイトルと高須基仁を覚えているだろうか?