【7】鎌田 浩毅『知的生産な生き方』
- 作者: 鎌田浩毅
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/10/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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仕事、書物、ファッション、京都の街…「良きもの」「美しいもの」のおかげで、人生は大きく開いた。京都大学でイチバン人気の教授が贈る、自分自身を高めるとっておきの方法。(「BOOK」データベースより)
地球科学の研究者、京都大学の教授として知られる鎌田浩毅さん。とにかくオシャレですね。ファッションはもとより、生き方、考え方、人との関わり方・・・。
彼の唱える知的生産な生き方とは何か?そして、知的かつオシャレに生きる秘訣とは何か?
その答えを見つけるヒントは京都にあるようです。京都という街が彼に多くの影響を与えてくれました。彼を取り巻く人々、自然、書物・・・。京都には歴史と伝統に根ざした文化の宝が街中に溢れているといいます。
彼は自分を導いてくれた「良きもの」を「ロールモデル」と名付け、自分の人生で目標とする像、つまり自分の行動の規範となるお手本を京都で見つけ、それぞれの良いところを吸収し、自らの生活に生かしています。
この「ロールモデル」を求めて行動することこそ「知的に生きるには」「知的生産性を高めるには」という問いへの答えを見つけることなのです。
「バッファー」という言葉はもともと「衝撃や苦痛を和らげるもの」という意味らしいですが、コンピュータのシステムでデータを一時的に溜めておく記憶装置、さらに転じて、調停役をする人や人間関係を潤滑にする人という意味もあるらしいです。
そのバッファーを著者は「空間的バッファー」と「時間的バッファー」という使い方をします。「空間的バッファー」であれば、たとえば机の上に一時的にものを置くスペースをあらかじめ作っておいて、資料などが自由自在に移動できるシステムを準備し、複数の仕事を同時並行にこなしていくという、いわば効率的に整理整頓しなさいという考えと、締切よりも前に仕事が終わるように余裕を持ってスケジュールを立てるといった「時間的バッファー」を日常生活に活用しなさいといいます。
理系的な考え方の一つに「棚上げ法」というのがあります。
棚上げ法とは、何かを調べていて分からないときに、一時的に分からないことを棚上げして先に進むことを言います。何かを作り上げようとして行き詰まった場合でも、ひとまずブラックボックスを置いて次の仕事に取りかかるのです。すぐに思い浮かばない内容を後回しにして、出来るところからどんどん進み、ムダな時間を節約する方法です。棚上げ法を使うと意外と効率的に物事が進むようですね。
お金で買えないものに強く惹かれることがありますが、その代表は時間です。「時代を経た」という価値は、いくらお金を積んでもいかんともしがたいものです。(p.56)
TIME IS MONEYといいますが、時間はお金では買えません。過ぎてしまった時間をお金で取り戻すことはできないのです。とはいっても、のんびりゆったりと時間を贅沢に使ってみるのも良いかもしれませんよ。
なにせ、この本を読むとどうしても、のんびり京都に行きたくなってしまうから。